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◆ 菅長官激怒、すくむ経産省  報道対応、自ら突然の規制

◆ 菅長官激怒、すくむ経産省  報道対応、自ら突然の規制

朝日新聞】 04/22 09:13

■ (1強・第2部)パノプティコンの住人:4

 首相官邸の裏のビルに国家安全保障局(NSS)がある。

安倍晋三首相が外交・安全保障政策の司令塔として設置した国家安全保障会議NSC)の事務局でスタッフは約70人いる。

 数年前、ある男性はスタッフになることが決まった直後、こんな経験をした。

 「中には監視カメラがありますから」

 説明役の参事官から言われた。

監視カメラはコピー機の近くを映すようになっている。

 採用が決まって数日、居酒屋や喫茶店に入ると、いつも近くに同じ人が座っていた。

声をかけられるわけでもない。

ただ、近くにいた。

 早朝、日課の散歩に出ると、日頃は見かけない場所に黒い車があった。

自宅近くに戻ると、また同じ車があった。

家族がゴミ袋を捨てた。

自宅にもう一つの袋を取りに帰り、ゴミ捨て場に戻ると、直前に出していたゴミが消えていた。それも家族が捨てたものだけ。

 単なる思い過ごしや偶然かも知れないが、男性は気持ち悪さを感じた。

 NSSは、情報を漏らしたら罰せられる「特定秘密」を取り扱う。

関わる公務員や民間人は「適性評価」を受ける。

例えば、家族の国籍、飲酒の節度、病歴、借金の有無なども調べられる。

 採用する職員は口が軽くないか。

外部のどういう人間と接触しているか――。

情報漏れを防ぐため、管理を徹底することは組織の性格上、当然だろう。

こうしたことは数日だけ。

だが、最初に感じた気味悪さは、なかなか消えない。

 NSSで働くスタッフは携帯電話を持ち込めない。

報道機関の記者からかかってきた卓上電話には出にくい雰囲気になり、居留守を使うスタッフがいる。

 徹底した情報管理はNSSだけに限らない。

 経済産業省で2月、職員へ二つの決定が周知された。

執務室を日中も原則施錠すること、そして「プレス対応の改善」と題した内部文書だ。

こう書いてある。

「取材は、広報室を通じて申し込むことを原則にする」

「取材対応は、管理職以上に限る」

 この措置の背景に、ある「事件」との関連性が、省内で囁かれている。